数年前から夫婦で来院していただいている年配のご夫婦の話。
二人とも怖がりでいつも緊張している様子。
それでもうちの医院を気に入って通ってくれていた。
昨年、ご主人が重病で入院し退院後、歯科治療をしていた。
約一年、来院が途切れていた。
久しぶりに奥様が来院。
あのあとすぐにご主人の様態が悪くなり、入院し、お亡くなりになられたとのこと。
入院中、歯が痛くなり、総合病院の歯科の受診を勧めたが、「野上先生以外の歯医者には見て欲しくない」と言って最後まで歯医者の受診を拒んだとのことでした。
その方がそこまで自分のことを思ってくれていたことを初めて知りました。
一本電話いただけたら訪問したのに・・・
私にはその方の命を救う力はありません。
でも、そこまで思ってくれていたその方の最後の歯の痛みを和らげることができたら、人生のゴールがもっと安らかな形になっていたかもしれません。
医療人として本当に求められていることを教わりました。
後悔、無念、感謝いろんな感情が浮かんできます。
次に向けて進みます。
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