パッキャオショック

先日のデラホーヤ戦の映像を見ました。近代ボクシングの常識を覆すような歴史的一戦であったと感じました。
戦前の予想は圧倒的にデラホーヤ有利でしたが、序盤から、リーチや身長の差をはるかに越えたスピードと躍動感で踏み込んだ左を何度もヒットさせ、完全に試合を支配しました。

戦前からふたりの体格差に注目が集まりました。
デラホーヤはここ数年の中で最も減量したことによるコンデションが心配され、パッキャオは、今までの試合で経験のない増量によるスピードへの影響が不安と感じる人が多いように感じました。

しかし、試合はパッキャオが、デラホーヤのリーチやテクニックをものともせず、完全勝利をおさめました。

近代ボクシングでは、身長の低い軽量級の選手のスピードやテクニックの進歩には目覚しいものがあり、軽い階級の王者の評価もかなり高くなってきています。
しかし、それらの選手がかなり増量して戦っても中量級以上の選手に勝てるかどうかということはあまり話題にならないほど、大幅増量した小さい選手は勝てる見込みがないということが、常識であったような傾向があるように思えます。

しかし、この試合で、パッキャオが、あの内容でデラホーヤに勝ったことで、今までの常識にはないような大幅に階級を上げて複数階級の制覇を狙う選手が出てきたり、契約体重での世界王者クラス選手同士の夢の試合が増えてくるような気がします。

その昔、モハメッドアリやシュガーレイレナードなどが独特のスタイルを作り上げて世界が熱狂したようにパッキャオスタイルが、時代の中心になるのかもしれないと思わせるようなボクシングの歴史の中で重要な試合であったと感じました。

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